LINE6 POD HD 500を使って有名ギタリストの音にどこ迄迫れるか。
と言う、ウルトラ個人的な新企画「POD HD サウンドレシピ」がスタートです。
現在、メイン機材はLINE6のPOD HD 500を使っています。
去年は、リットー・ミュージックさんよりこの機材を詳細に解説したムック本「POD パーフェクト・ガイド」の「POD HD完全使いこなし術」コーナーの執筆を担当させて頂きました。
■POD パーフェクト・ガイドのご購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217106.html
※本書の中では、末原名人の「有名ギタリスト風サウンド・セッティング・ガイド」がどーんと掲載されていますが、ウチのサウンドレシピ企画とはまったく無関係で、寧ろ僕がYouTubeにアップする動画ネタの参考にさせて頂きました。
担当直入にいいますと、僕の方がパクリです。
すみませんm(_ _)m
で。
せっかく本も書かせて頂いて、POD HDも愛用しているわけで、それなら色々なパッチをどんどん紹介していけば、もっともっとPODと言う機材の使い方が楽しくなるんじゃないかと思い、本企画をパクってスタートしてみました。
第一回目は、ギター神「Eddie Van Halen(エディー・ヴァン・ヘイレン)」の1stアルバムから「ERUPTION」です。
いきなり、最難関からのスタート、なんというドM。
いえ、ドSです。
そんなことはどうでもいいですね、はい。
ご存知の通り、ヴァン・ヘイレンの1stアルバム特にERUPTIONのサウンドは、現在においても最高レベルのクオリティと言われており、エンジニアさんもこの音を目標にしている方も多くいらっしゃるとか。
それなら、イッチョ挑戦してみようではないか、と言う訳で第一回目からコケるのを覚悟です。
けど、がんばりました。
まずは、サウンドレシピ動画をご覧ください。
のっけから言い訳させてください笑
今回の企画のメインはあくまで「音」なので、動画の最初のデモ演奏は超適当です。
それを踏まえた上で。
【サウンドレシピの解説】
最初に。
今後のサウンドレシピ企画では、ポイント解説をこのブログで行っていきますが、エフェクター類の詳しい設定や意図は今回が最初で最後になります。
なぜなら、ものすごく長文になるから笑
なので、今回は恐ろしく長文ですが、POD HDと言うシミュレーターを使った音作りをする上では重要なポイントばかりなので、コーヒーでも飲みつつじっくりと読んで頂けると幸いです。
また、HDの720p画質でご覧頂くと、動画上で細かな値も確認できるので、見る際は是非HDでみてください。
で。
まず、一番大事なのはERUPTIONの音のバックグラウンド。
このサウンドレシピを作成するに当たって、エディーの機材について色々と調べてみました。
ただ、エディー自身が結構な秘密主義らしいので、インタビューとかでも煙に巻いたり、冗談まじりの発言や、曖昧な記憶が多く、「コレだ!」と言う結論は無いと言われているらしいのです。
その上で、まずはギターについて。
ギターは勿論、トレードマークのフランケンで音作りの上で、最重要ポイントの一つが、そのギターに搭載されているピックアップ。所謂、今ではお宝物のヴィンテージP.A.Fで、元は1960年代のES335に搭載されていたものを更にリワイヤリングしたオリジナルな点。今では1個ウン十万円もし、ほいほいと買えるものではないし、偽物も多く出回っており本物を入手する事が圧倒的に難しい逸品。
しかし、半値でいい感じまで近づける事ができます。
ウチのスカルに搭載されているピックアップの「SAYTONE」がそれです。
斎藤楽器工房さんのハンドワイヤリング(手巻き)ピックアップで、オールドのP.A.Fを独自の視点から研究し、当時のP.A.Fのサウンドを正確に現代に蘇らせている世界でも数少ないハンドメイドピックアップです。
■SAYTONEはこちら
http://www.saytone.jp/pickups.html
ディマジオとか、現代のピックアップの大半は倍音が少なく、音が固めで出力が高いものが多い。
倍音が多いと銘打たれて売られている物の多くは、倍音を得る為に帯域を犠牲にしている。
全部がそうといいきれませんが、ピックアップは今回のレシピで重要なポイントなので、ここを外すとパッチが同じでも結構遠いサウンドになってしまいます。
そして、案外盲点なのがチューニング。
ERUPTIONは半音下げに設定されています。
なぜ、HR/HM系は半音下げチューニングが多いのか、という議論は諸説入り交じっているので尽きることがありません。
ただ、今回のエディーのトーンを再現すると言う上では、チューニングを半音下げる事によって得られる、弦のテンションの低下による音の粘り具合。
レギュラーチューニングだとテンションが張りすぎて、音が硬くなりすぎてしまいます。
なので、サウンドレシピを作成する上で、半音下げチューニングは必須です。
そして、ピック。
恐らく、0.8mmとか0.7mmの薄めのピックを使っています。
それ以上の厚さだと、これも音に粘りがなくなってしまいます。
しかし、残念ながらウチにはその手の薄めのピックが無いために、1.0mmのピックをつかって極力ソフトに弾いています。それでいて、ピックは弦に対して深めに当てて、弦とピックの接地時間を高める事で音に粘りを出す様に弾いています。
POD HD以外で必要な所はそれぐらいです。
もう一つこだわって行くとしたら、高解像度のケーブルではなくカナレ等比較的安価なシールドを使う事。
70年代の音なので、楽器機材は勿論録音機材もまだまだ発展途上なので、そこまで高解像度な音質ではありません。
因に。
ERUPTIONもそうですが、レッドツェッペリンやジミヘン等、年代が古いCDって、色眼鏡をとっぱらって純粋な意見を言えば、AMラジオの様などこかチープな音じゃありませんか?
それは、当時の録音機器がそうだったからであって、この先のアンプの解説でもでてきますが、オールドのPlexiは当時の最先端な歪み系アンプですが、ほとんど歪まない上に、ハイもローもがっつりでるカリカリのトーンです。
決して、当時のCDの様なマイルドな音ではないのです。
ただ、録音の解像度が低い為にいろんな帯域が物理的にカットされてああいう音になってしまった。
でも、実際に70年代を生で見てきた人は必ず、ものすごくいい音で爆音で耳が痛かった!と言います。
その辺りの機材的な音質のパラドックスは絶対にあるので、音の再現度をCDに限定して言うなら、シールドは現行の解像度が高いものではなく、比較的安価なシールドを使用することで、当時の機材レベルに下げられるので余計なハイも出ず、似てくると思います。
第一ポイントをまとめます。
・ピックアップ:SAYTONE
・チューニング:半音下げ
・ピック:0.7mm等の薄いもの
・シールド:一般的なカナレ
そして、PODの設定ポイント。
いろんな資料から、エディーは1stでPlexiを使っていたということで、僕自身も色々試しましたがやっぱりPlexiで、チャンネルはBrtの方。キャビはGreenbackとさんざん悩んだ末にBlackbackを。
Greenbackは中低域にクセがあって、ある一定のポイントまではいい所まで追い込めるんですが、それ以上はクセの方が強くてEQでも取りきれないので、Blackbackにしています。
Blackbackはかなりブライトな響きで、Plexi本来のカリカリトーンを再現するにはもってこいです。
マイクは57をoffで。
POD HDもリアルのPlexiもそうですが、基本的にEQは飾りです。
ほとんど効きません。
もう、どこをどうしてもPlexiの音しかでません。
だからこそ、ヴァンヘイレンはじめ、当時のPlexi愛好者の方々はなにをどうしても変わらんなら、純粋なフラットの全部フルテンでええやんけ、の精神だと思います。
だって、EQが効かないからアンプで音作りなんてできないわけですから。
さらに、Plexiはほっとんど歪みません。
雀の涙ぐらいしか歪みません。
JCM800の半分ぐらいしか歪みません。
だから、ボリュームもフルにしてわざと音割れを起こして、少ない歪みを音割れと音圧でカバーしていたのです。
JCM2000やらケトナー等の今のアンプで漢のフルテンだ、とかいって勘違いしてやってしまうと、単なるあほうでえらいことになるので、注意してくださいね。
POD HDのPlexiもリアルのPlexi同様に歪まないのですが、それでも生のPlexiと比べると良く歪みます。
歪まないけど。
そこは、Facebookで図解した音作りの立ち位置のお話です(わからない方はウチのFBを漁ってみてください。)
なので、GAINだけは本来のアンプの歪み量辺り迄下げてます。
プレゼンスを下げているのは、なんかちょっと違う帯域のハイが出過ぎるのでカットしています。
一般的な音作りならここで終わりですが、CabとHeadのセッティングを詰めるともっとそれらしくなります。
まずは、キャビの値ですがRES LEVELを上げると目が荒く箱鳴り感が増してブライトになってきますが、逆にERUPTIONの音はハイの目は細かく上品なのであえてRES LEVELを下げ目に。
AMPのパラメーターもそれぞれ細かく設定しています。
ひとつひとつ説明していくと長くなるのでポイントを挙げると、SAGを上げ目にして歪みの質を変えています。
また、BIASXも同様。
ここまでがアンプの下準備。
長いですが、重要です。
ヴァンヘイレンも、アンプの電圧やバイアスにかなりこだわっていた、という噂もありますし。
最近はアンプのEQも良く効くし、エフェクターも充実してるので、ついつい音質の調整をエフェクターやEQに頼りがちですが、そこに至る迄に見直す点が結構あるのが落とし穴であり、音作りのポイントです。
ここまでで一つ気がつく事。
「歪み少な!音ペラペラ!」
じゃないでしょうか?
でも、当時のPlexiなんてこんなもんです。
これで爆音にするから、聴覚的に歪みの量が増えて余す事なくEQの帯域も鳴るので、パワーがでてくるのです。
ちなみに、Plexiは普通に爆音でボリュームを1.5まで回すと通常の100Wマーシャルの同じ音量で1.5割増のビッグサウンドが出ます。
しかし、如何せんこっちはPOD HDです。
この設定でも、スタジオ等へいってプリを通して爆音にすると結構良い感じで鳴ってくれますが、そんな爆音なんてできないので、普段家でギターを弾く音量という前提でサウンドレシピを作成しています。
ちょっと脱線したので話を戻すと。
先ほどの爆音の話の通り、あくまで音を似せるのであって、当人と同じ機材で同じ設定を追求しても環境が違うので土台無理な話です。
だから、色々な裏技を駆使してここから近づけていくわけです。
そこで登場するのが「コンプ」
コンプはデカすぎる音をモグラたたきの様に頭を叩いて引っ込めて、小さ過ぎる音をケツを蹴り上げて大きくして、全体の音量を体罰で均一化するエフェクターです。
かなり乱暴な説明ですがそういうもんです。
だから、クリーンのカッティングなんかじゃ、少々荒いストロークをしてもコンプが効いて粒のそろった心地よいリズミックなプレーができるわけです。
が。
今回は、そんなシャレオツな使い方をしません。
アンプを歪ませなければ、音の輪郭がハッキリするので分離性が高く抜けの良い音になりますが、ペンペンサウンドでハードロックはできません。だからといって歪みを上げると、音の輪郭が潰れるし、ヒンヒン鳴く子馬かっ!ってぐらいにフィードバックからの~ハウリングが出てきて、弾けたもんでも聞けたもんでもありません。
じゃぁ、どうするのか。
アンプの歪みは極力少なくした上で、コンプを使って音の密度を高めた上で音圧を上げる。
簡単に言えば、マスタリング時に音圧を稼ぐためのコンプの使い方をPOD HDでやるわけです。
普段はRed Compを使っているのですが、音がちょっと硬く現代的なサウンドになるので、今回は70年代の抜け切らないモノラル感を出す為に、Tube Compで柔らかいアナログな音になるようにしています。
動画でもはっきり確認出来る様に、コンプを入れるだけで歪みが増した気がします。
が、実際はアンプの25%程度の歪み量だけなので、コンプで軽く上下を圧縮して密度を高めて、レベルをブーストして音圧をあげる。
そうすると、小さい音量でもアンプのボリュームをフルテンにした様な効果が出る、という仕組みです。
あまりコンプを派手にかけすぎると、強くピッキングした時にカツーンと音の頭を殴られて、音量差が激しくなるので、あくまで掛け過ぎ注意です。
歪み系のエフェクターをDrive:0、Level:Maxで使用して同じ様な音圧アップのブースターとしての使用方法が昨今のブームですが、考え方としては全く同じです。
今回は聴覚上歪みすぎるのでやってませんが、自分の音の場合はRed Comp+TS-9を同じくブースターとして追加ています。
しかし、これはシミュレーターなりミックスやマスタリングだからこその技で、実際の生アンプでやるとコンプ感が強く出過ぎて同じ様な音にはなりません。
実際の生アンプでは音量を上げる事で得られる歪みの量感アップがあり、且つアナログであるからこそ、アナログストンプの歪み系に使われているコンデンサーやらの微妙なコンプ感があるから、純粋なブースターとして活きてきますが、シミュレーター上ではそこまで微妙な差が再現できません。
なので、デジタルならではの超裏技です。
生アンプとの違いはここなので、注意が必要です。
また、裏技は天國本シリーズはじめ、ここ最近の私のPOD HDを使った音作りの定番でもあります。
パッチには一応のノイズゲートを入れてますが、あると無しでは音の立ち上がり方にかなりの差がでてきて、音の雰囲気もがらっとかわるのであえてONにはしていません。
もしも、どうしてもノイズが気になるならONにすることで劇的にノイズが減ります。
次に、EQを入れています。
実際のCDでは、恐らくBOSSのGEを使用したサウンドで、GEを山形に煽ってすこし音量を上げてブースター使用した際の、ハイの更に上辺りの密度が細かい独特の音がしています。
が、POD HDにはGEのモデリングがないので、極力似た様な感じになる様に、1.1kのゲインを3db程足しています。
合わせて80kも3db程足していますが、これは通常の音量ではアンプ自体のLOWが少し足りなくて、そこを補う形です。
CDではLOWは少なめに聞こえますが、アームダウンした時の超低音が出た際に、低音がヘタれずにしっかり出ていることからあえて強めに掛けています。
ギターやピックアップによってはEQを外しても問題はないと思います。
次に、Phaser。
ヴァンヘイレンの定番と言ってもいい程のトレードマークのエフェクター。
MXRのオレンジのアレです。
恐らくCDではアンプの前に繋いで、揺れ類を一切OFFにして使用していると思われる節があります。
LINE6のPhaserは結構優秀で、かなり近い所まで寄せられるのですが、同じ様にアンプの前に繋ぎ、揺れ類をOFFにしてもほとんど差はでません。
で。
わざわざPhaserをアンプの後ろに掛けているのは、ミックスやマスタリングの段階で空間系がステレオ寄りに掛けられています。
話は前後しますが、今回のサウンドレシピもlogic上で後掛けで、EZ MIX2を使ってステレオエンハンサーを掛けています。結構これだけでステレオ感がグッと増すのですが、あまりに現代的な音になりすぎるので、録り音の時点である程度のステレオ感をだした上で、そこに少し広がりを少し足す為にLogic側で卓掛けで補正しています。
その録り音のステレオ感を出すのがこのPhaserで、揺れ類を全てOFFにしてアンプの後ろに置き、MIXを45%以下で調整することで一気にステレオ感が増します。
この手法は、POD HD以前の機種ではコーラスの揺れ類をOFFにして同様設定することで同じ効果がでていたのですが、POD HDではエフェクターのクセが変わったので、このPhaserで代用することができます。
ステレオの広がり方はStageで設定することができ、4、6、8、16と数値が上がる程広がりが増えて、少しハイがマイルドになり、音が太くなります。
ステレオ感が増せばそれだけ気持ちよいサウンドになり、Stageを16でMIXを45%にすると、昨今のヴァンヘイレンのブライトサウンドそっくりになります。
しかし、今回は1stのアナログ感が目的なので少し薄めに掛けて、位相をセンター寄りにすることで、卓掛けのエフェクトに近づける事ができます。
因に、自分の音の場合はStageを14でMIXを45%にしています。
次はテープエコーです。
これは本人も当時つかっていたと言う発言が残っていますが、詳細な接続方法や設定は不明です。
しかし、確かに最初のペンタで低音の5弦を、スタッカートを掛けながらクロマチックで下がって行くフレーズの音には、テープエコーの様なやまびこが聞こえています。
ディレイにしては音がアナログよりなので、フィードバックを1回程度でテンポに対して16分辺りで響くようなイメージで設定しています。
また、聞こえてくるPANがセンターなので、アンプの前に設置してアナログ感を出しています。
但し、CDは原音に対して少し広がりが大きく、良く聞くとやまびこだけはステレオのPANをかなりセンターに寄せているけど、リバーブの広がりが大きいので、そこを以下のステレオディレイを使って響きの補正を行っています。
というわけで、最後にステレオディレイ。
これも、Phaserと同じく自分の音の際には必ず掛けるマストのエフェクターですが、今回は上記の通りテープエコーの補正として使っています。
若干広がりがCDと比べて広いですが、これ以上狭く薄くすると掛ける意味もなくなり、かといって掛けすぎると現代的な音になりすぎるので、現状がベストかと思います。
また、CDではもっとアンビエントに響いていますが、フレーズによって広がり方が違うので、推測ですが恐らくミックス時に手動でフレーズ単位でリバーブのミックス量を調整したのではないかと思います。
さすがにそこまでは再現できないので、リバーブはlogicのステレオエンハンサーで代用しています。
というわけで、やっぱりかなりの長文になってしまいました笑
原音と聞き比べてみると、まだまだ音に柔らかさが足りないのと、低音と高音のバランスが悪い。
低音がまだ少し多い。でもこれ以上下げると音自体の粘りも消えてしまう。
高音はチューブ特有の、熱したガラスを響かせた様な響きが無い。
等々。
これ以上の詰めは本物のチューブアンプを使わない限り厳しい気がします。
更に、POD HDという最新のデジタルならではの飛び道具を満載しているので、実際にチューブアンプを使っても、逆に再現できないと思います。
なので、あえて再現度に点数を付けるなら。。。
75点でどうでしょう!?
そして、ある程度納得して頂けた方は、以下から今回のサウンドレシピのPOD HD 500用のパッチをダウンロードしてください。
■SOUND RECIPEダウンロード(POD HD 500 only)
http://www.kamoneginji.com/studio/EVH_ERUPTION.h5e.zip
一応、サウンドレシピ企画は毎日更新を目指していますが、音のアナライズとミュージシャン自身のバックグラウンドの下調べにかなり時間が掛かるのでひょっとしたら1日ないし、2日置きになるかもしれません。
そこら辺りはご容赦ください。
で、次回はTwitterでリクエスト頂いた「Slash」の「Sweet Child O' Mine」アルバムバージョンです。
その次はFBでリクエストを頂いた、エリックジョンソン。
そんな感じで、このブログはコメントを閉じていますので、TwitterのリプライとFacebookでサウンドレシピの再現ネタを募集しております。
再現して欲しいギタリストの名前と、曲名(アルバム指定で)をリクエストください。
ざっくりと、アーティスト名だけだと、活動時期やアルバムかライブで音がまったく違うので具体例で言っていただけるとありがたいです。
そんな感じで。
最後に、本家Van Halen -ERUPTION-で、YouTubeにアップされている原曲と聞き比べてみてください笑
【YouTube】EVH -ERUPTION- POD HD 500/SOUND RECIPE
【YouTube】Slash -Sweet Child O' Mine INTRO-
まずは、原曲をどぞ。
そして、サウンドレシピ動画をどぞ
今回は、Twitterで頂いたリクエスト、Slashのトーンで曲はGuns N' RosesからSweet Child O' Mine。
レシピはペダルトーンが印象的なフレーズのイントロ部分の音です。
音にこだわらなければ、ソロもこのイントロの音でいけます。
ソロは2段階になっていて、前半はほぼクリーンなクランチで後半は少し歪んでワウがはいります。
この音でやるなら、ギター側のボリュームを絞り前半、ワウを踏む際に全開にすればそれっぽくなるかと。
但し、あくまで今回はイントロのトーンということで。
どの曲もそうですが、通常ギターはイントロ、ソロ、サイドギター×2本程度、重ねて録音してあります。
同じ音色1本で複数トラックを録る事もありますが、大抵は音を変えます。
さらに、ミックスの段階で他の楽器とぶつからない様にEQやコンプでゴリゴリと変えます。
さらにさらに、マスタリングで全体の質感を整える段階でも結構変わります。
ですので、普段皆さんがCDで聞く音と言うのは、物理的な問題で自分のギターとアンプ、エフェクターと言う基本機材では再現できないのです。
最初から真っ向否定するわけではなくて、CD通りの音で弾きたくてソレを目標にして音を作ると言うのがナンセンス且つ不可能と言う話であって、そのギタリストの音=CDの音ではないのです。
ギタリストの音の本質はやっぱりライブで、一応ライブでもPAを通しますが、CDの様にゴリゴリと帯域を削ったりするわけではないので、基本生の音です。
さて。
なぜ、いきなりそんな話をしたかと言いますと。
元々、私はSlashの音が好きではありません。
自分の中でレスポールと言えばJohn Sykesで、あの野太く且つウォーミーなディストーションサウンドこそが、レスポールでHRな音を出す究極の理想だと思っています。
その音に比べると、GunsのCDでのSlashの音は、ソリッドですがチューブっぽさをあまり感じない、どちらかというと細い低音にソリッドステート的なショリショリした高音。
どうしてもそれが好きになれないのが理由です。
で、今回リクエストを頂いて、改めてSlashについて色々調べました。
文字だけではなく、YouTubeにアップされているライブの映像、アルバムの音源等も。
一番最初に確認したかったのが、ライブの音。
なぜなら、CDでのSlashのサウンドはどうもミックスの段階でかなり弄くり回されている印象が強いから。
実際、レスポールとマーシャルのコンビネーションであれば、BASSを0で歪みをクランチぐらいにしないと、あそこまでローが抜けたサウンドにはならないのです。
さらに、マーシャルだけでは絶対に出ない高音域の帯域が特徴的で、そこもアンプでは作れない音なので、恐らくミックスでゴリゴリ弄ったんだろうな、と言う推測の前提。
だからこそ、まずはライブの音を知る必要があります。
普段どんな音で弾いているの知ることで、CDの音の本質も理解できるから。
で、いざライブ映像(できるだけSweet Childがリリースされた時代のもの)を確認すると、やはりCDとは全く正反対の音。
ただし、ライブ映像もVHSやDVDとしてパッケージ販売する前に、ライブで録音した音源をライブが終わって再度レコーディングしなおしてDVDとしてリリースする事もあるので、一概に生の音だといいきれませんが。
このライブ映像の音を聞く限り、CDに収まっている特定の帯域をばっさり切り落としたり、煽ったりといった後付け感はなく、ソリッドでありながらアンプ直で凄くウォーミーでファットなチューブの質感がくっきりわかる音になっています。
私は、GunsやSlashのエンジニアではないので、あくまで推測でしかしゃべれませんが、ボーカルのアクセルが非常に特徴的な声で歌うのに合わせて、楽器隊の音もミックス時に方向性を合わせて作り込んでいったんじゃないのかと思います。
他のライブ映像を見ても、やはり基本的にアンプの生の音を重視した図太いクランチディストーションでした。
ギタープレーを見ても、ブルースを基調としたフレーズが多い事から、エフェクターであれこれやるのではなく基本アンプサウンド重視である事もよくわかります。
なので、今回はPOD側でも作り込みましたが、最終的に動画を撮影した際にLogic側でマスタリングのステレオエンハンサー以外に、Logic側のEQで最終調整しています。
そう踏まえた上で。
【サウンドレシピ 解説】
まずは、ギターですがSlash同様にGibsonレスポールでピックアップはフロント。
生アンプをあまり弾く機会がなく、アンシミュで弾く事が多い方にはフロントは甘くてあまりエッジがたたないと思う方もおられるかもしれませんが、マーシャル+Gibsonのフロントは結構シャープなアタックが出ます。
で、このイントロもかなりソリッドな音ですが、中低音の出方がリアではないのでフロントでまず間違いないと思います。
但し、前振りの通りハイの出方がアンプらしく無いので、そこは卓調整でつじつまを合わせます。
チューニングは半音下げ。
前回のERUPTIONは弦のテンションを下げる事でサウンドに粘りを出す狙いもありましたが、今回は粘りというよりもソリッドでエッジが立った、どちらかというとテンションが高いサウンド。
なのに半音下げです。
正直、意図はさっぱりわかりません笑
普段の弾きやすさを優先したんでしょうか。
ピッキングは強すぎず弱すぎずナチュラルリラックスな感じで。
但し、ピックのエッジを使ってナチュラルな高音を出す様にすると良いです。
アンプはPlexiのブライトチャンネル。
なんだかんだで、POD HDでは1、2を争う程使い勝手が良いアンプです。
特に、生っぽいサウンドを狙う場合は必須です。
下手に歪まない、歪んでも歪みすぎない、EQがほとんど効かないと、一見デメリットばかりの様ですが、スタジオやライブでJCM800~900クラスのアンプを使った事がある方ならよくわかる通り、まさにマーシャルはそういうアンプで、どこをどう弄ってもマーシャルの音しかしません。
POD HDにはJCM800のモデリングもはいっていますが、どちらかと言うともっと使用目的をピンポイントに絞ったサウンドで、結構な勢いで歪み、ハイの出方がミッドハイ寄りで、経年劣化で余分なハイが削られたオールド色がします。
キャビはHiway、ハイワットのモデリングですね。
このキャビが実は優秀で、変なクセがないので、ヘッドの特性を素直にアウトプットしてくれます。
おすすめ。
マイクはソリッド重視なので57をonで。
EQは上記の通り、Plexiなのでほとんど効きません。
だから、ほぼフラットにしていますが、これはAMPパラメーターとキャビパラメーターを調整した上での事で、ERUPTIONの時と同様にEQで音を作るのではなく、ヘッドとキャビのパラメーターで音を追い込んでいます。
今回は、一応ノイズゲートを入れていますが、どちらでも良いです。
アンプの歪みが足りない、というか爆音効果の歪みはできないので、Tube Compで密度と音圧をアップして聴覚上の歪みを稼ぎます。
但し、原曲の音源をよ~~く聞いていただくとわかると思いますが、本当に最初の1音。
この音が、最初にバーンと鳴った直後ハリセンでスパーンと頭をどつかれた様になっています。
確実にコンプです。
但し、ストンプのコンプではなく、ミックスやマスタリング時の音圧アップの際のコンプです。
このお陰で、ギターしか鳴っていない状態、しかもどの音もかぶらない第1音目は大きく、その後前の音の残響や設定で以降の音がコンプレッションされています。
ヘッドフォンだとその違いがよくわかるかも。
これは、撮影の際にlogicでマスターコンプをかければいいだけなのですが、それだとこのレシピを誰かが使った際に同じ様な効果が出ない為に、あえてTube Compでハリセン効果(そんな名前はないですけど)が出る様にと、音圧と効果の2重の意味で入れています。
動画の順番は違いますが、エフェクトのルーティング的にはここでTS-9。
これは単純にブースターと言いたい所ですが、当然音圧のブースターとしても使ってますが、EQ類をハイを中心に少し煽っています。
これは、アンプ側で結構低音をタイトに絞ってスカスカにしているのと、最初の卓のEQうんちゃらの話で、アンプだけのハイじゃ張りが足りないので、ここで足しています。
アンプで足した音の質感じゃなく、明らかに卓なんですが、誰でも同じ様な音が出る様にストンプペダルで代用しています。
空間系は、3種の神器、Phaser、Reverb、Stereo Delay。
Phaserは残響の付加とステレオアンビエント、但し今回の音は生のソリッド感が大切なのでStage4の60%辺りで薄めにしています。
また、リバーブは今回強めです。
Hallでしっかりと掛けて、Stereo Delayで広がりを調整しています。
さてさて。
今回のレシピはこんな感じですが、パッと聞きはそこそこ似てるんですが、オリジナルはもっと高音に張りがあって、全体的にもう少しタイトでテンションが強めな感じです。
たぶん、その辺りはWAVES系のプラグインで処理をすればいい感じに似ると思うので、POD HD単体ではここが落としどころではないでしょうか。
動画では、最終的にLogicでステレオエンハンサーを掛けた都合で、結構中域が太くハイが少しマイルドになりソリッド感が少し減少してしまいました。
ステレオエンハンサーを使う理由は、リバーブ。
聞こえてくるリバーブはストンプペダルのちゃちな安っぽいリバーブではなくて、明らかに卓の後掛けの奇麗なリバーブ。
コンプとリバーブは金がある時にええもん揃えとけと言われる程重要なのですが、手持ちではそこまで良い卓用コンプとリバーブが無いので、効果が似てて優秀なEZ MIXのステレオエンハンサーで代用しています。
後は、ギターのピックアップが、もう少し倍音を押さえ気味で、カリッとした感じ。
59年のリイッシュレスポール辺りだと、奇麗に張りが出るサウンドになるかと思います。
80点でどうでしょう!?
昨日のERUPTIONのパッチも、今回のSlashのパッチもLine6のCUSTOM TONEにもアップしています。
■私作成のパッチ類はこちら(LINE6 CUSTOM TONE)
http://line6.com/customtone/profile/ginjineko/
先日のAMPLIFiで作成したトーンや、数年前に作成したパッチ類もこちらからまとめてダウンロードできます。
それとは別に、今回もウチのサーバーにもUPしているので、お好きな方からダウンロードしてください。
http://www.kamoneginji.com/studio/Slash%20-%20Sweet%20Child%20INTRO-.h5e.zip
次回は、この企画をやると言えばいつか来るだろうと思っていたのが、エリックジョンソンとジェフベック。
で、やっぱり来ました、エリックジョンソンのCliff of Dover。
これは、どうにもなりそうも無い気がして止みませんががんばってみます笑
そんな感じで、このブログはコメントを閉じていますので、TwitterのリプライとFacebookでサウンドレシピの再現ネタを募集しております。
再現して欲しいギタリストの名前と、曲名(アルバム指定で)をリクエストください。
ざっくりと、アーティスト名だけだと、活動時期やアルバムかライブで音がまったく違うので具体例で言っていただけるとありがたいです。
【イベント出演情報】4/27(日)音系・メディアミックス「M3」/デモ演奏

クリプトンさんのオフィシャルではまだ未発表ですが、告知OKのご連絡を頂きましたので、当ブログにて先に告知させて頂きます。
2014年4月27(日)に東京流通センターにて開催されます、音系・メディアミックス同人即売会、通称「M3」にて、企業ブースのEZ DRUMMERを出展するクリプトン・フューチャー・メディアさんのブースで、EZ DRUMMERを使用したセミナー&ミニライブで出演致します。
デモの時間や回数等は後日改めてアップ致します。
内容としては、ブース内のスクリーンにLogicより立ち上げたEZ DRUMMERを写し、実際にそれを使用したライブ、そして、EZ DRUMMERの使い方がメインのちょっとしたセミナーも行います。
また、ブース内ではクリプトンさんが取り扱う様々な製品も実際に触れるので、お気軽にお越し下さいませ。
なお、M3の入場にはカタログが必要となります。
M3オフィシャルの
http://www.m3net.jp
このページに詳しく掲載されています。
http://www.m3net.jp/attendance/index.html
また、14時を過ぎた時点で運営側が入場をフリーにするかしないかの検討が行われます。
で、そこを見越してカタログ代がもったいないからといって14時過ぎに来られると、デモライブ&セミナーが終わっている可能性もあります笑
なので、できるだけ午前中にこられてのんびり個人/企業ブースを見て回られるのが良いかと思います。
が。
オープン時の個人ブースは戦場ですので、その辺りも十分考慮くださいませ笑
さてさて。
これで、3回目となるM3への出演も、クリプトンさんあっての事で、毎回の事ながらほんとにありがとう御座います。
現在、当日にどんな事をやろうかしら、とネタを仕込んでおります。
ミニライブもあり、普段ライブをほとんどやらない私としましても、腕の見せ所の一つでもあり、アンプが無い環境でもそこまでの音がでるんですか?的な側面もご覧頂けるかと思います。
勿論。
EZ DRUMMERのポイントを押さえた使い方のセミナーも、元祖しゃべくり系ギターインストライブの第一人者としても腕の見せ所です( ̄(エ) ̄)v
というわけで、後2週間程ですので、どうぞ今のウチにスケジュールをやりくりしてくださいまし。
沢山のご来場をお待ちしております!
【YouTube】Eric Johnson -Cliffs Of Dover- |サウンドレシピ
【YouTube】"E.J" Eric Johnson -Cliffs Of Dover- |LINE6 POD HD 500 SOUND RECIPE
一言でE.J(エリック・ジョンソン、以下E.J)のバイオリントーンと言っても、年代に寄るレコーディング環境の違いで、微妙に異なります。
アルバムバージョンについては、ミックスとマスタリングEQやコンプの補正がかかっているのは当然で、且つ年代も古い。(年代による音質の差はSlash編をご覧ください)
また、YouTubeで回転数が多いE.Jの動画も大半が年代が古く音質も悪い。
なので、可能な限りバイオリントーンの輪郭がよくわかる動画がないかと探した結果、上記のロングインタビューの動画(3本に別れているうちの最後の動画)が最もハッキリした音でした。
この動画は2010年にアップされており、この辺りのトーンが一番最近の物で、スタジオEQでそこまで加工されていない生に近いサウンドと思うので、この動画のトーンのレシピになります。
この動画の1:29あたりから20秒程がTube Driver使用時のバイオリントーンとなり、今回のPOD HDでの再現対象となります。
また、TS808やFuzz Faceを使用したトーンも確認できますが、今回のレシピでは対象外としているので、もしこちらもご希望であれば、お気軽にリクエストしてください。
さて。
最初は、E.Jの当時のアルバムの音を再現しようと思っていたのですが、どうにもバイオリントーン感が薄い。
年代が古いので仕方がないのですが、それは1本目のV.Hのブライトトーン同様です。
しかし、V.Hの場合特に常に話題に挙るのは1stアルバムのトーンです。
勿論、今のサウンドも素晴らしいのですが、V.Hのトーンの話になると現在のトーンではなく、1stのERUPTIONの一点張りで話が展開されていきます。
それほど、1stのトーンが印象的なのですね。
で、E.Jのバイオリントーンはと言うと、特にアルバムの指定はなく、年代限定せずライブもアルバムも全てひっくるめてバイオリントーンなのです。
よくよく調べると、大掛かりなシステム変更もありませんし、多少の歪み量やEQの差はあっても、それは年代なのかアンプやエフェクターの微細な設定なのかはわかりませんが、トーンは全く同じといっても過言ではありません。
ですので、今回リクエストを頂いたバイオリントーンについては、現在存在する音源で、出来るだけ解像度が高い現在のバイオリントーンを基本として再現する事にしました。
なので、今回のレシピの対象は本記事の一番上に貼付けたYouTube動画の1:30~20秒程の部分です。
それでは、サウンドレシピ動画をどうぞ。
ほんま、すみません笑
デモの演奏クオリティは勘弁してくださいね笑
あまり長くやりすぎるともっとひどくなるので超みじかめDEATH。
【サウンドレシピの解説】
ギターについては、E.Jシグネチャーストラトもしくは、ヴィンテージのストラトですが、そんなもんもってません笑
なので、手持ちの54リイッシュー【改】のストラトになります。
しかし、残念ながらリアピックアップをDimazioのFast Track1に変更しています。
FT1は所謂ツインプレートといわれるミニハムバッカーでして、シングルコイルではありません。
ただ、ある程度のシングルらしさは残してるので、かろうじて生命線は繋がった感がありますが、やはりシングルと比べると音の質が異なります。
バイオリントーンはリアピックアップなので、もし、このレシピを利用される方で、ストラトをお持ちの方は全く違う音になってしまう可能性が大です。
そこの所はご容赦ください。
そう。
ピックアップがリア。
これは結構おどろきです。
バイオリントーンの特徴は一言でいってしまえば
「究極の籠もり音」
です。
普通に考えればフロントです。
そして、まったくと言っていい程に無い高音。
ヴィンテージのマーシャルのクリーミーなチューブから出てくるブーミーなLOW/MIDと、ギター本来が持つ高音(ビンテージストラトのリアシングルコイル)のバランスが絶妙なトーンです。
なので、要所要所で効いてくる高音に的を絞って、EQでなんとかしてやろうと思うと、低音と中音のバランスが崩れてしまいまず再現できません。
だって、ギター自体が持つ高音なんですから。
また、バイオリントーンの由来として、全体のトーンではなく、メジャーペンタトニックを中心に上下するフレーズ群の中で、特に高音弦のフレーズに駆け上がる際、一瞬鳴る5弦や6弦の開放ノート。
そして、1、2、3弦で構成されたフレーズに時折まじる、1音だけの低音弦の音。
これが、バイオリンを弾く時に、弓が弦に当たるその瞬間のトーン、ボーイングの切り返しの際に出る一瞬の低音。
あの音にそっくりなのです。
なので、バイオリントーンのキモは全体の籠もり具合よりも、一瞬の低音の響きが命です。
それと、弦も大切な要素です。
かなりテンションが高い音がしています。
ストラト自体ロングスケールでただでさえテンションが高いのに、さらにそれよりも張りがある音。
弦のゲージが1.0あたりの音ですね。
調べてみると、各弦のゲージがバラバラのシグネチャーストリングが出ている様なので、拘るなら弦が大きなポイントです。
ちなみに、ウチは09のレギュラーでして、今回も09で統一しているので張りがあまり出ていません。
そして、ピッキング。
実は、今回のトーンで一番重要な所です。
というか、ギターの音は指先で作れ、という格言がある様に弾き方というのはとても大事なのですが、このバイオリントーンについては、もっと繊細なピッキングが必要になってきます。
なぜなら、「アタックが無い音」なので。
厳密にはアタックは有って、E.Jもクランチで弾いてるときは結構アタックを出しています。
しかし、バイオリントーンで弾く際はアタックは有るのですが、それはあくまでピックが弦にヒットした音であって、クランチ時の様に意図的につけたアタックが圧倒的に少ない点。
これは、優しく力を抜いてなでる様に弾く、のではなく、ある程度のピックのストローク速度が必要ですが、ピックが弦に当たる瞬間だけは力をいれず、エッジがたたないようにしながらも、ピックが弦を抜けて行く時間は速くして歯切れを良くする。
そうすることで、1音1音の輪郭を保ったまま、アタックが抜けたバイオリンの様なフレーズ感が生まれます。
E.Jは、演奏する姿をみる限り、ピッキングはゴリゴリ弾いている様にみえますが、この記事の一番上に張ってある動画を穴の空く程見て頂くとわかると思いますが、ピックが弦にあたるその瞬間には、そこまで弦が揺れていません。
1:24秒あたりには手元がアップになるのでよく見てください。
バチバチ弾いていないのがよくわかります。
・ギター本体
・弦
・ピッキング
この3点が、今回のレシピの中でも最も重要な要素です。
いやー、奥が深い。
その上で、機材面(POD HD)の設定を。
その前に見て頂きたい動画が1本あります。
それがこちらの記事内にあります。
http://amass.jp/22440
このインタビュー記事の更新が2013年の物なので、かなり直近で新しい情報です。(のはず)
さらに、この記事内に張られている動画がなんとも虎の巻。
アンプのツマミの設定から、エフェクターのつまみの設定まで確認できる秘伝書をごっそりご開帳です。
マーシャルのEQは、PRS:8、BASS:1.5、MID:2~6、TRB:3、VOL:7。
プレゼンスが高めですがトレブルはごっそり3。
そして、注目すべき点が、BASSがほぼ0の1,5でボリュームが7の爆音仕様。
これは、Facebookでさんざん講釈を垂れましたが、ボリュームによる音作りの良い証拠です。
音量を上げる事で、ナチュラルな低音がガッツリ出てくるのでアンプで出す必要はありません。
そして、なにより音圧が増すので、歪みは少なくてよいメリットがあります。
いわゆるナチュラルオーバードライブ状態です。
単純に言えば、籠もり気味の設定で爆音で鳴らすことで、小さい音量じゃ埋もれてしまうEQの音や歪みを稼ぎ出す。
そんなセッティングです。
そして、爆音なのでナチュラルなリバーブも掛かるおいしいおまけ付き。
その上で、Tube Driverによるトーンコントロール。
しかし、これまたHIGHもLOWも0。
レヴェルも押さえ気味で、ゲインを足す感じ。
ゲインと言うより、アンプのナチュラルオーバードライブに味付け程度ですね。
おそらく、Tube Driverの回路的な音質変化に重点を置いたセッティングでしょう。
これらがバイオリントーンの根幹部分になります。
勿論、マーシャルのリンクアウトやテープエコーもあった上での話です。
という前置きの上で、POD HDの設定を順に解説していきます。
まずは、アンプはおなじみPlexi。
鉄板アンプです。
キャビはGreenback。
この籠り具合はGreenback以外に選択肢は無いってぐらいにハマります。
最初はBrit T-75も試しましたが、中音がすこしヌメるので、Greenbackの太い中音でファイナルアンサーでした。
そして、マイクはリボンマイクの4038。
リアルに買うと1本15万以上する高級マイクですね。
この手のハイが籠った音を出すにはリボンマイクが最適です。
因に、ソリッドなトーンの場合は57。
最近のハイゲイン系のキャンキャンする音なら421や409のダイナミック。
粘り気のあるウォーミーな歪みは67や87のコンデンサー。
キャビとの相性で音の質感は変わりますが、大体こんな目的で使い分けるとピッタリハマると思います。
PODでの音作りの上で、アンプとキャビとマイクの相性は絶対的で、下手にアンプのEQやエフェクターで音を作ろうとするとまず失敗します。
この3種の神器で、ある程度まで音を追い込んで行く事が、POD HDで音作りをする上で一番大切なポイントです。
↑これ結構重要なポイントです。
その上で、アンプのEQはいつも通り、アンプとキャビのパラメーターのバランスを取りながら細かく調整。
今回のポイントはSAGですかね。
エフェクターは、E.Jもバイオリントーンで使用している「Tube Driver」のモデリングである、Tube Drive。
これ1本だけです。
但し、設定はE.Jと同じではありません。
なぜなら、BASSもHIGHも絞り切ると音が鳴らないので。
空間系は、いつもの3種の神器の一つである、Stereo Delayの代わりにE.Jと同じくテープエコー。
これは結構薄めです。
Phaserは毎度の通り、POD HDの意図する音の立ち位置空間の広がりを出すためです。
そして、リバーブ。
リバーブはどんな時でもお風呂注意です。
さてさて。
今回は、本物のビンテージが物を言うサウンドなので、それら無しには結構キツかったですね。
単純に籠った音を作るだけなら、ハイ切りをすればいいだけなのですが、そういう質のものではなく、楽器や機材本来がもっている、経年劣化によるナチュラルなハイ。
それがあってこその、籠もりトーンなので、そこの再現を手持ちの機材でどうやるかが一番悩みどころでした。
というわけで、質感的には結構がんばったつもりでご褒美を兼ねて
75点でどうでしょう!?
サウンドレシピシリーズのパッチ類は全てLine6のCUSTOM TONEにもアップしています。
サウンドレシピシリーズのパッチ類は全てLine6のCUSTOM TONEにもアップしています。
■私作成のパッチ類はこちら(LINE6 CUSTOM TONE)
http://line6.com/customtone/profile/ginjineko/
最新順列はこちら
http://line6.com/customtone/profile/ginjineko/3/
■当サーバーからのダウンロード SOUND RECIPEダウンロード(POD HD 500 only)
http://www.kamoneginji.com/studio/recipe/EJ_clifofdover.h5e.zip
次回は、Facebookでリクエスト頂いたChar -Moon Turner リードトーンです。
最近のCharはずっとケトナーを使っているのと、あまりエフェクターで弄くり回すタイプではないので比較的取り組みやすいと思います。
簡単と言う意味ではなくてね笑
そんな感じで、このブログはコメントを閉じていますので、TwitterのリプライとFacebookでサウンドレシピの再現ネタを募集しております。
再現して欲しいギタリストの名前と、曲名(アルバム指定で)をリクエストください。
ざっくりと、アーティスト名だけだと、活動時期やアルバムかライブで音がまったく違うので具体例で言っていただけるとありがたいです。
【YouTube】Char -Moon Turner- |POD HD 500 SOUND RE
POD HD 500 SOUND RECIPE、4回目は「Char -Moon Turner」です。
まずは、トーン作成の為に必要な参考動画をご覧ください。
上に貼った2本の動画には、途中にそれぞれギターのレコーディング風景が収まっており、普段Charがどういった環境でレコーディングしているのかじっくり確認することができます。
足下のペダルやアンプが具体的に写っているわけではありませんが、高性能な撮影用マイク物を一切通していない、カメラのマイク直の音ですが、それでもCharの雰囲気や2本目の動画でほんの少し確認できるアンプの状態をみる限りアンプ直の様な雰囲気がします。
1本目の動画にはリバーブはたっぷり掛けられていますが、卓によるリバーブの後掛けなのか、アンプに内蔵されているスプリングリバーブ系かはっきりとはわからないが、リバーブを掛け録りしてしまうと、後から調整が効かないのでアンビエントの為のリバーブやディレイは卓で後掛けするのが一般的です。
少し脱線しますが、ギターに掛けるリバーブは他の楽器のリバーブと深さや広さを合わせるのが常套手段です。
というのも、ドラムは小さなルームで響くいわゆるROOMYなナチュラルリバーブが効いてるのに、ギターはホールで弾いた様なワイドでディープなリバーブを掛けてしまうと、位相もズレますしなにより、同じ環境で弾いていない違和感がでてきます。
但し、手持ちのエフェクターやアンプの特徴を生かしたフレーズ上で特殊な効果を出す場合、掛け録りします。
なので、恐らく卓で掛けているリバーブではないかと思います。
(あくまで、推測なので間違っている可能性も多いにある点ご了解を)
さて、今回のレシピの再現ソースですが、YouTube上にはMoon Turnerの動画がありません。
あっても、弾いてみた系ばかりでさっぱり参考になりません。
ですので、今回はiTunes Storeで販売されている音源のトーンからの再現とします。
https://itunes.apple.com/jp/album/moon-turner/id74485836?i=74485977
サンプルが40秒程聞こえるので、あえてご購入してチェックする必要はありませんが、良い曲なのでこの機会に購入しておいてはいかがでしょうか。
上記のURLで確認できるCharの音の質感ですが、動画で確認できる生音とレコーディングでパッケージングされた音とは音の質感が180度違います。
これは、レコーディングのミックスや音質トリートメントのマスタリング時に、録音した生音を他の楽器と帯域がぶつかって分離性が悪くなるので、EQやコンプで調整していく過程です。
ミックスやマスタリングで音質を180度変える事も可能で、有名な話がスタジオミュージシャンがレスポールで弾いた音をリリースされた物を聞くとストラトの様な音になっていた、ってのもあります。
ま、これはさすがに大げさだとは思いますが笑
で、この音源のギターについても、その過程は確実に通っています。
まず、音源自体の音がでかい。
あらゆる楽器の帯域をゴリゴリと調整し分離性を高めて少しずつレベルを稼いで、最後にマスターコンプでゴンと。
決してノリではなく、凄く空間がありますが、それでもこの音圧感は70年代のレコーディング技術では絶対に再現できません。
ギターピッキングと低音感がエッジはありますが、ギャリって鳴った瞬間の音に非常に卓のコンプ感がでてます。
低音と中域には他の楽器とのバランスを考えたEQ感もあります。
それに、前後ではなく鳴っている最中のノイズも奇麗に取ってあり、非常にクリアです。
それでいて、きっちり録音時の特徴も残した音作り。
マスタリングは別の場所だお思いますが、1本目の動画でCharがエンジニアに絶大な信頼を置いているという件がある事からそれがよくわりますね。
というわけで、Charのレコーディング音源は、アンプ直っぽい音ではあるが、ミックスとマスタリングでかなり突っ込んで弄った音なので、ソファーの隣で爆音でアンプが鳴っている、あの音ではなくMIXで他の楽器のかぶり帯域をカットされて、マスタリングで音圧アップのコンプがばっちり効いた加工された音。
言って見れば今時のCDの音です。
誤解が無い様に付け加えておくと、悪い意味ではなくて、ミックスもマスタリングも勿論奏者も超一流なので、めっちゃいい音です。
めっちゃいい音ですが、70年代の何も出来ないあのチープ且つ、生臭さってのは一切なく、最新のDAWシステムとプラグインで奇麗に化粧が施された音で、70年代の何も出来ない音を今のレコーディング技術で曇りと被りが取れたクリアで張りがある音。
※70年代の何も出来ない音、って言うのも語弊があるのですが、今の物理的な機械と比べてってことです。
そういった事を踏まえて次はこちらの動画をご覧ください。
Moon Turnerのライブ映像です。
この音と先ほどのCDでパッケージングされた音を聞き比べてみてください。
まったく違い事がわかると思います。
DVDで販売する際に勿論ミックスもマスタリングも行われており、レコーディングした際の機材を100%使ってると言う訳ではないとは思いますが、それでもやはり両方とも本人であり、アルバムのツアーでもあるので機材類についてはそれ程大差はないと思います。
Shashのサウンドレシピの際にも書いていますが、CDの音は当人が弾く、そして機材がある、その上でミックスやマスタリング行程を介しているので、通常ではCDの音を参考に音作りしても120%同じ音はできません。
乱暴な言い方をしてしまえば、CDの音はまったく参考になりません。
ミックスとマスタリング行程の再現が物理的に無理なので。
それらを踏まえて。
それでも、可能な限りCDの音に近づけて本人と同じ音で弾ける陶酔感を味わいたい、と言うのがこのレシピ企画の目的であり、またまったく別の環境や機材であっても、方法によってはある程度まで近づける事ができる参考事例の一つとして活用して頂く事が目的です。
話は長くなりましたが、それらを踏まえまして今回のレシピ動画をどぞ。
パリーンとしたCDのコンプ感は薄いですが、雰囲気は掴めていると思いますがどうでしょう?
ちなみに、デモで流しているBGMはPOD HDのルーパー機能をつかい、今回のレシピサウンドでギター側のボリュームを絞ってベースラインとカッティングを重ねたものです。
【サウンドレシピ 解説】
まず、こういったアンプ直の音を再現する際に一番大切なのが、アンプのEQは音を作るものではなくて、音を補正する役割だと言う事。
ついつい、EQで作り込んでいってしまいがちですが、音作りの基本は、アンプ(キャビ込みで)とギターの組み合わせです。
家にはフェンダーのアンプしかない。
でも、本人はマーシャルを使っているのでフェンダーでマーシャルっぽい音を出すしか無い。
大半はそんなシチュエーションだと思いますが、物理的にフェンダーアンプでマーシャルの音はできません。
ある程度似せる事はできますが、物が違いすぎます。
音作りで悩む方の根本はソコです。
「無いものねだり」
なんですね。
極端な話、本人とまったく同じ機材があって、本人とまったく同じ設定で、再現したい音の場所も同じなら、まったく同じ音がでます。
それでも本人と違う音なら、後は弾き手次第です。
音はそういう物です。
無いものは仕方が無いと思って諦めてしまうまえに。
POD HDには沢山のヘッドとキャビとマイクがあります。
全てを網羅しているわけではありませんが、アンプとキャビだけの順列組み合わせだけで言えば軽く3桁はいきます。
種類も豊富なので、がんばれば必ずポイントは見つかります。
ギタリスト的には音作り=アンプ選びといっても過言ではありません。
POD HD的には、アンプヘッド+キャビ+マイク選び=音作り。
勿論、ギターの比率も高いけども、ギターの場合はアンプで作った基礎トーンの質を変えると言う立ち位置。
レスポールでストラトのアタック感は出なくて、逆にストラトでレスポールのブーミーさは出ない。
さてさて、毎度話は長くなりますね。
御託はこれぐらいにしてレシピにいきます。
Charの音ですが結構歪んでいます。
レコーディングでケトナーを使ったかは結構怪しいですが、最近ではケトナーを使っているようで、先ほどのライブでも結構歪んでいます。
やっぱロックな人なので、歪みをピッキングとボリュームでコントロールするのが基本スタイルだと思います。
しかし、POD HDにはケトナーのモデリングはありません。
なので、一番質感が近いブギーのモデリングである、Treadplateをチョイス。
こいつが結構万能でして、ゴリゴリに歪む凶悪な音から、乾いたクランチディストーションまで対応してくれます。
今回は後者の使い方。
キャビはBlackback。
Blackbackは乾いた抜けが良い音がするので、クランチディストーションの際にハマります。
マイクは57をOFFで。
基本的にコレだけです。
コンプも歪み系エフェクターも一切無しです。
この音でレコーディングして、PA側で空間系で処理します。
はい、おわりー。
と言いたいんですが笑
後掛けの空間系はいつもの3種の神器でなんとでもなるとして、問題はEQとコンプの質感。
これが難しい。
悩んだ末に、デュアルトーンを使いました。
基礎となる音は崩さない上で、音圧と質感を変える。
同じ様なアンプの設定を2台用意して、マイクを変えてミックスする手法。
実は、片方にリボンマイクを使うやりかたは結構あります。
因に、2本目の動画ですこーしだけコンボアンプが写っているシーンがあるのですが、全面のスピーカーとは別で裏にもマイクが仕込んである形跡が確認できます。
画質が悪くて確証は持てませんが恐らく2本以上のマイクを前と後ろに立てて、卓でミックスして音の奥行きを出しているのでしょう。
コンプの質感はギターに掛けられたものも勿論ありますが、マスターコンプの比率が高いのでそこはさすがに再現できませんでした。
というわけで、
70点でいかがでしょう!
サウンドレシピシリーズのパッチ類は全てLine6のCUSTOM TONEにもアップしています。
■私作成のパッチ類はこちら(LINE6 CUSTOM TONE)
http://line6.com/customtone/profile/ginjineko/
最新順列はこちら
http://line6.com/customtone/profile/ginjineko/3/
先日のAMPLIFiで作成したトーンや、数年前に作成したパッチ類もこちらからまとめてダウンロードできます。
それとは別に、今回もウチのサーバーにもUPしているので、お好きな方からダウンロードしてください。
■SOUND RECIPEダウンロード(POD HD 500 only)
http://www.kamoneginji.com/studio/recipe/Char_MoonTurner.h5e.zip
さて、次回はSixx: A.M. -This is Gonna Hurt- リズムトーンです。
現時点で頂いているリクエストはこれで終わりで、もしリクエストが無ければ、こちらで何かチョイスしていきます。
そんな感じで、このブログはコメントを閉じていますので、TwitterのリプライとFacebookでサウンドレシピの再現ネタを募集しております。
再現して欲しいギタリストの名前と、曲名(アルバム指定で)をリクエストください。
ざっくりと、アーティスト名だけだと、活動時期やアルバムかライブで音がまったく違うので具体例で言っていただけるとありがたいです。
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【YouTube】SIXX:AM - This Is Gonna Hurt- | サウンドレシピ
SIXX AM - This Is Gonna Hurt- | POD HD 500 SOUND RECIPE
本日のPOD HD 500サウンドレシピは、Twitterでリクエストを頂きましたSIXX:AMの「This Is Gonna Hurt-」です。
SIXX:AMはモトリー・クルーのベーシスト「ニッキー・シックス」が結成したバンドです。
王道アメリカンハードロックが80'、90'の心を揺さぶるかっこいい曲が盛りだくさんです。
今回の再現対象はこちらの動画。
プロモMVです。
パッと音を聞く限り、王道ハードロックでは定番で鉄板のギターの壁ですね。
サウンドもマーシャルやブギー系のハイゲイン系のアンプに直で、ダブルで録ってステレオ。
そして、最終的にミックスとマスタリングでゴリゴリの壁。
改めて順を追って説明していくと、この曲の再現もそうなんですが、今時ミックス&マスタリングがキモで、それ+80年代後期~90年代にHR/HMバンドのレコーディング常套手段としてスタイルが完全に確立された「リフのダブリング」。
同じリフのギター(厳密には少し押さえるコードを変えたりしますが、キメ等通して同じ部分が大半)を1本づつ別別に録り、PANで左右に振って完全にステレオにする手法。
これをする事で、いわゆるハードロックやヘビーメタルのど迫力ギター音の壁ができあがります。
更に、これは音の壁をつくるだけではなく、元来モノラルのギターサウンドをステレオにすることで、音に広がりと艶を与えてくれます。もちろん、ミックス時のEQやコンプありきの話で。
このダブリングは、1本のギターだけ録音して、それをコピペして2trに増やしてPANで左右に振ってもステレオにはなりません。
ステレオってのは微妙に左右の周波数やタイミングが違うからステレオに聞こえるわけであって、全く同じ物を左右に振ってもどこまで行ってもモノラルです。
最近は、というか20年程前はPCで録音なんてウン千万の世界で、とても素人の手に届くものではありませんでしたが、今では数万もあれば完全に自宅でマスタリングまで出来る機材が揃う時代です。
それほど、簡単で例えば2本のサイドギターをダブルで録音できる腕がない、といっても1本だけとっといてDAWでコピペして片方を0.02秒程ズラして、EQで特定の帯域を2db程ずらせばダブリングのできあがりです。
という余談はここまでで、この曲のダブリングはそんなコピペではなくちゃんと弾いてます。
微妙にコードのヴォイシングが違う所がちらほらあるので、アンサンブルも考えたダブリングなんでしょう。
さて。
この手法が今回の音の正体で、毎回同じ事を何度も言います。
「CDと同じ音は5000%不可能です」
それは、ミックスとマスタリングをやる限り、物理的に不可能だから。
ミックスとマスタリングを行う事で、録音時の音とは異次元のレベルで大きく異なります。
基本的に、ギターとアンプやエフェクター(アンシミュ)だけで音を作ろうとするスタンスである以上は、「犬に明日からネコになれ」と言うのと同じで、なにをどうがんばっても無理なもんは無理です。
それじゃ、このレシピ企画自体がハナから無理やないかい。
その通りです。
しかし、似せる事はできます。
あくまで、似せるだけの行為なので、言ってしまえば清水アキラが研ナオコのモノマネをするのにセロハンテープを使うのと一緒で、顔の筋肉や骨格を削ったり曲げたりはできないので、あらゆる手を施して似せていく行程を踏みます。
それでもいいから、可能な限りCDの音に近づけて本人と同じ音で弾ける陶酔感を味わいたい、と言うのがこのレシピ企画の目的であり、またまったく別の環境や機材であっても、方法によってはある程度まで近づける事ができる参考事例の一つとして活用して頂く事が目的です。
ですので、レシピの内容=当人と同じ様ななセッティング、ではない点ご了承くださいね。
そして、解説に入る前に最後に一つだけ。
ミックスやマスタリングを除いた状態となると、ライブ映像や音源が一番それに近い、と言う訳でかろうじて発見しました。
ライブですが、どうにも客撮りぽくて音質が悪い笑
ただ、音の感じは伝わります。
プレゼンスではなく トレブルがたっぷり目のドンシャリ系のサウンド。
結構キャンキャン金属的な音がしています。
PlexiやFender系では絶対でない、ケトナーやブギー、マーシャルで2000以降辺りのモダンハイゲインアンプの音がしてますね。
で、一聴してわかる通り、音源とはまったく違う音。
CDの当人達でさえ、CDの音を再現するのは不可能なので、機材も腕も違う第三者が再現することなんてのは事実的物理的に不可能なのですね。
【サウンドレシピ 解説】
はい。
今回のキモは、アンプ直。
正確には、アンプとキャビとマイクでどこまで、音を似せられるかがポイントです。
アンプはANGEL F-Ballをチョイス。
このアンプが凶悪な程歪みます。
キャビはXXL V-30で、このキャビは凶悪なぐらいにローが出ます。
そして、マイクは409のダイナミックマイク。
POD HDで王道ドンシャリハードロックやるなら、定番セッティングです。
ヘッドは好みでTreadPlateでもOK。
但し、JCM800はちょっと歪みの質が違うので、使うならこの辺りで妥当だと思います。
EQはBASSが0。
兎に角、低音が山ほど出るので0でちょうどいいです。
さらに、パラメーターで150辺りをLOW CUTしてます。
ドンシャリドンシャリといいつつ、実際のドンシャリはミックスで作るもので、アンプで作るトーンじゃないんですが、POD HDで再現なので極力ドンシャリに近いサウンド目指します。
しかし、良く聞くとわかると思いますが、実は全くドンシャリではありません。
寧ろ、ハイは少なく、ローもすくない。
ミッドがカラッとしてる中にちょっと粘り気がある感じ。
オーソドックスなミッドブーストの歪みです。
それが、ドラムやベース等とかぶってくる事で、ドンシャリにきこえてくるんですね。
不思議です。
で、ハイの出方を音源に合わすには、アンプのEQでは帯域が違い調整ができないので、RES LEVELとのバランスで高域を調整しています。
RES LEVELは上げると生っぽい音になると同時に、真空管をブーストしていった時の高音のヒンッて音が混じり出すので、EQだけでは作れない音もパラメーターとのバランスを取る事で出す事ができます。
SAGなんかもそうで、ミッドの出方をSAGで調整すると音作りの幅が広がります。
また、MASTERは全体の帯域に影響してくるので、最終のマスターコンプの様な張りつめた感じをだしたい場合に上げると良い感じになります。
というか、この企画は大半がCDの音再現なので、高確立でフルにしています。
そんなわけで、今回も例に漏れずMASTERはフルです。
これだけです笑
後、若干箱鳴り感が欲しいので、ルームリバーブを薄く掛けています。
E.R(アーリー・リフレクション)が箱鳴りや部屋なりを再現するツマミですが、個人的には嘘くさい感じがするので、余程じゃない限り0で使わない様にして、ルームリバーブやRES LEVEL辺りで調整しています。
今回の最大の裏技といっても過言じゃないのが、ピンポンディレイ。
これは確かリットーさんから発売されているPOD HD本でも紹介してたと思うんですが、1本のギターでダブリングを再現する方法です。
ピンポンディレイをいれた瞬間にPhaserの様な空間ではなく、単純なステレオ効果が実感できると思います。
フィードバックを0にして、MIXを全開、タイムを20msという最小値にしてSPRED値を最大にすると、音の広がりがステレオになります。
数値だけじゃわかりにくいので日本語に直すと、
原音に対して20ms(めっちゃ速いディレイ)を掛けてズラして、ディレイの音量(MIX)を最大、やまびこが響く量(フィードバック)は1回だけ鳴るようにして、最後にディレイ音の定位を片方に目一杯振る。
正確なステレオダブリングではありませんが、聴感上は壁音に聞こえてきます。
これを設定すると、自宅で一人ダブリング状態で気持ちよく弾けるという、自己満足メリットが最大になります笑
勿論、レコーディングの際にダブリングを弾く技術が甘い、場合なんかは1本でその効果がでる手法なので、トラックをステレオにして録音すれば疑似壁サウンドができます。
最後に、デモ演奏の直後にLogicで、撮影時の音で簡易ミックスとマスタリング行程を行っている所をつけたしました。
録り音に対して、EZ MIXを書けると音の質感が激変したのがよくわかると思います。
また、最終にマルチバンドコンプをいれて音圧をあげると、音量があがっただけではなく音に張りが出た感じも実感頂けるかと思います。
さて、今回は高度なスタジオ技術の賜物の様なサウンドだったので、中々に再現がむつかしかったですが、ダブリング込みの裏技と、実際にフルオケと合わせてみると結構似ているという事実で
73点でどうでしょう!?
サウンドレシピシリーズのパッチ類は全てLine6のCUSTOM TONEにもアップしています。
■私作成のパッチ類はこちら(LINE6 CUSTOM TONE)
http://line6.com/customtone/profile/ginjineko/
■最新順列はこちら
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先日のAMPLIFiで作成したトーンや、数年前に作成したパッチ類もこちらからまとめてダウンロードできます。
それとは別に、今回もウチのサーバーにもUPしているので、お好きな方からダウンロードしてください。
■SOUND RECIPEダウンロード(POD HD 500 only)
http://www.kamoneginji.com/studio/recipe/SIXXAM.zip
そんな感じで、このブログはコメントを閉じていますので、TwitterのリプライとFacebookでサウンドレシピの再現ネタを募集しております。
再現して欲しいギタリストの名前と、曲名(アルバム指定で)をリクエストください。
ざっくりと、アーティスト名だけだと、活動時期やアルバムかライブで音がまったく違うので具体例で言っていただけるとありがたいです。
【音塾/無料ギターレッスン】チョーキングとビブラートの基本
■こちらの音塾さんのサイトで、今迄のレッスン動画の一覧と、動画の内容をまとめたテキストをご覧頂けます。
http://otojuku.net/free/guitar_lesson
しばらく間が空いてしまいましたが、音塾さんの無料ギターレッスンをアップしました。
こっちで、あ~だこ~だ書いてしまうと、音塾さんのテキストと被ってしまうので控えときます笑
【YouTube】2本指で弾き切る!初心者教則本|リットーミュージック
本日、4月23日にリットーミュージックさんより「2本指で弾き切る! ボカロ, アニソン, J-POP」の発売が開始です。
リットーミュージックさんより、一足お先に見本誌を頂きましたので、動画レビューをさせて頂きました!
■この本の購入はこちら(Now On Sale)
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
超人気曲をすべてパワー・コードのアレンジで楽譜化した超初心者向け教則本
【収録曲】
■ボカロ曲™
◎千本桜
◎脳漿炸裂ガール
◎カゲロウデイズ
◎チルドレンレコード
◎マトリョシカ
◎ロミオとシンデレラ
◎天ノ弱
◎Tell Your World
◎ワールズエンド・ダンスホール
◎六兆年と一夜物語
◎え?あぁ、そう。
■アニソン
◎ライオン(マクロスF)
◎創聖のアクエリオン(創聖のアクエリオン)
◎君の知らない物語(化物語)
◎コネクト(魔法少女まどか☆マギカ)
◎God knows...(涼宮ハルヒの憂鬱)
◎Don't say "Lazy"'(けいおん!)
◎残酷な天使のテーゼ(新世紀エヴァンゲリオン)
◎RPG(クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!)
■J-POP
◎天体観測
◎小さな恋のうた
◎女々しくて
◎ないものねだり
◎サラバ、愛しき悲しみたちよ
◎恋するフォーチュンクッキー
※VOCALOID(ボーカロイド)/ボカロはヤマハ株式会社の登録商標です。
はい。
動画内で20分程散々くっちゃべっていますが、時間の無い人の為に簡単に説明させて頂くと。
--
2本指だけで押さえるパワーコードだけで1曲を弾き切る事に特化した、初心者向け教則本!
ボカロ、アニソン、J-POPから厳選された25曲、全てがパワーコードだけで弾ける様にアレンジされているので、ギターを手にしたその日から、曲に合わせて練習ができてしまう画期的発想の1冊!
クロマチックやどれみ~、無機質なコードチェンジ、4小節だけのループフレーズ。。。
そんな楽しさの欠片も無い練習を最初からやってしまうと挫折なんて目に見えています。
たった2本の指と少しのポイントだけで、買ったその日からCDに合わせて演奏ができる。
初心者教則の決定版!
「略して、パワーコード本」
本日リットーミュージックさんより発売です。
--
といった本です笑
ぎんじねこという、ネットギタリスト/YouTubeで何でも屋、と言う表の顔とは反対の、なかのやすのりさんというギター講師のお仕事もしているわけですが、職業柄、体験レッスンを非常に多く行っています。
その体験レッスンに来られる方は、ギターをまだ買っていない、1週間前にギターを買いました、と言うぐらいのほんとに初心者です、というレベルの方が約半数です。
そんな方々に、30~1時間という短い時間の中で、ギターを弾くという楽しさと少しの難しさをクリアした時の達成感を味わって、今後ギターを弾き続けていきたいと思ってもらえる継続意欲を感じてもらう事は中々に難しいです。
そんなシチュエーションで、鉄板の体験内容というものがありまして、それがパワーコードです。
普段良く聞く曲や、ギターで弾いてみたい曲が、たった30~1時間の体験レッスンの中で、弾ける様になってしまうのです。
個人差もありますが、全くギターを触った事が無い方で、自称超不器用な方でも、サビぐらいはCDに合わせて弾ける様になります。
そして、当然体験が終わった頃にはものすんごいうれしそうな顔をして帰られていきます。
大体ギターを初めて買うと何をやっていいかわかりません。
で、習いにいくのもちょっとな~。。と思う事もまま多く、結局本屋に行ってよくわからないまま、それっぽい教則本を買ってそれを自宅で練習するのですが、市販の教則本の大半が
「基礎テクニックを重視した解説」
を中心に作られています。
決して悪いわけではなく、ギターと言う楽器から見れば正しいのですが、軽い気持ちでギターを手にした初心者にしてみれば、ページをめくれどめくれど、テクニックの解説と4小節程度のループフレーズの連続ばかりの本じゃ、弾くという楽しさよりも難しさだけが印象に残ってしまい、挫折してしまいがちです。
しかし、この本日発売の通称「パワーコード本 初心者教則」は小難しい理論や、ややこしいテクニックは何一つありません。
ただ一つ、パワーコードのみを追求した初心者教則です。
目的も明確「パワーコードで1曲弾き切る」
わかりやす笑
私が、レッスンで生徒の皆さんによく話すピアニストの名言があります。
ご紹介します。
--
初心者はピアノを弾くための指の練習なんかしないほうがいい。
曲の中には、とんでもなく難しい部分があるでしょ。
私はその曲の中で、指の練習をすることにしているの。
人生は、指の練習をしているには短すぎるし、
第一、意味がないもの。
- フジ子・へミング
--
個別のテクニックを磨く練習は決して悪くはありませんが、まずは曲を弾く事に慣れましょう。
「弾き切る」事に慣れましょう。
ブツ切れでテクニックをマスターしても、それが曲中で繋がらなければ意味がないし、なにより曲にあわせられなければ成立しません。
ただでさえ指が動かない初心者が、最初から複雑な指の動きを覚える必要はありません。
だって、動かないものは何をしてもすぐには動きません( ̄(エ) ̄)
なので、この2本指だけで押さえられるパワーコードをつかって徹底的に曲を弾き、レパートリーを増やす。
その過程で、指の力もついてきて自然と指が動く様になり、1曲を弾き通せる感覚が身に付いていきます。
あらためまして。
本日、2014年4月23日発売の「2本指で弾き切る! ボカロ, アニソン, J-POP」
人気の3ジャンルから厳選された25曲が、たった指2本で押さえるパワーコードだけで弾けてしまいます。練習フレーズを練習すると言う今までの矛盾を根本からひっくり返した、曲を弾く練習ができる初心者教則本です。
山野楽器ギター教室の現役講師である私も超お勧めの1冊です。
【YouTube】千本桜/黒うさP|パワーコード本公認コーチング動画
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
¥1,944(税込み)/発売中(2014年4月23日発売)|リットーミュージック
■書籍の詳細/ネットでの購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
先日、リットーミュージックさんより発売されました、通称「初心者教則:パワーコード本」。
ウチでも早速、見本誌を頂きを頂き動画にてレビューさせて頂きました。
そのレビュー動画は上のパワーコード本のオフィシャルサイトのページにて掲載頂いております。
そして、本日はそのパワーコード本から、なんと!
奏法解説とデモ演奏を収録した、コーチング動画をアップです。
レビュー動画と本コーチング動画は、私とリットーミュージックさんのパワーコード本の連動企画なので、パワーコード本公認の動画です!
また、この公認動画シリーズは、今後パワーコード本の中から人気が高い曲をピックアップして、随時コーチング動画をアップしていきます。
アップされた動画は、上記パワーコード本のオフィシャルサイトに掲載されていくので、まとめていつでもご覧いただけますので是非ともお楽しみに!
というわけで、内容もデモ演奏も公認のお墨付きを頂いているので安心してご覧ください。
細かな解説や弾き方は、動画内でたっぷり30分ほど掛けて話しているので、一仕事終わってご自宅でギターを抱えて本書を開きゆっくりと動画をご覧ください笑
その上で、パワーコードについて役立つ情報をいくつかご紹介致します。
過去にウチの動画で、パワーコードに関するレッスン動画をいくつかアップしております。
音塾さんとの無料動画レッスンでもアップしております。
パワーコード本と合わせて、以下の動画類をご覧頂くと、より一層パワーコードが簡単に弾ける様になること間違いなし!
【初心者ギターレッスン】パワーコード1
【初心者ギターレッスン】パワーコード2
【音塾無料レッスンシリーズ】
■解説サイト
http://otojuku.net/free/guitar_lesson
【音塾/無料ギターレッスン】パワーコードとルートネーム
【音塾/無料ギターレッスン】パワーコードでヘビーローテーション -AKB48-
【音塾/無料ギターレッスン】パワーコードで弾く「完全感覚Dreamer -ONE OK ROCK-」
【音塾/無料ギターレッスン】パワーコードで弾く「完全感覚Dreamer -ONE OK ROCK-」その2
【YouTube】脳漿炸裂ガール/れるりり|パワーコード本公認コーチング動画
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
¥1,944(税込み)/発売中(2014年4月23日発売)|リットーミュージック
■書籍の詳細/ネットでの購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
※過去の動画の一覧も、リットーミュージックオフィシャルサイトよりご確認頂けます。
前回に引き続きまして、リットーミュージックさんパワーコード本公認コーチング動画第二弾です。
原曲はこちら
そして、解説&デモ演奏動画はこちら
非常にテンポが速く、ジャジーなアレンジが印象的で一聴するとかなり難しく聞こえますが、パワーコードで無敵のウルトライージーアレンジがしてあるので、この曲を弾きたかったけど、難しそうだったので断念していた初心者の皆さんもほんの少しの努力で弾き切ることができますよ!
しかも、フルコーラス!
そして、動画の最後には本の内容に則した形で、ピックスクラッチやグリッサンド等を加えてより「それっぽく」簡単なニュアンスをいれたデモ演奏をご覧頂けます。
余談ですが、今回の様にエンディングでコーダやらダルセーニョやらであっちこっち飛び、ページをめくりまくらないといけない場合、見ながら演奏の場合は大変です。
テンポが速いので、ページをめくってる暇に先の小節が終わってしまう場合もあります。
デモ演奏の動画撮影もそうで、基本的に本を見ながら弾いています(映してませんが)
ただ、今回はリピートが多かったので、手書きの五線譜に書き直しました。
自分がわかれば良い用なので、かなら荒っぽいですが、実際に使う譜面もこれと似た様なもので、字が奇麗か汚いか、ぐらいの差しかありません。
で、注目する点がコードネーム。
パワーコードと言うのは、(基本的に)コードネームの大文字の部分を弾きます。
Fm7であればF。
C△7であればC。
このパワーコード本を使って、パワーコードの押さえ方とリズム譜が読めるようになったら、次はコードネームを見てポジションを押さえられるようにしてみましょう。
そうする事で、この本の使い方が2倍に広がりますよ!
大雑把ですが、パワーコードを押さえる際に、ルートネームとなる人差し指との関係は以下です。
これさえ覚えてしまえば、パワーコードを使いこなせたも同然です。
まずは、パワーコード本を通して曲を練習し、余裕ができたらルートネームを見ただけで覚えられる様になりましょう!
【YouTube】God knows|パワーコード本公認コーチング動画
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
¥1,944(税込み)/発売中(2014年4月23日発売)|リットーミュージック
■書籍の詳細/ネットでの購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
※過去の動画の一覧も、リットーミュージックオフィシャルサイトよりご確認頂けます。
さて、第三弾は「アニソン編」より超人気曲、涼宮ハルヒの憂鬱劇中挿入歌「God knows」です。
アニメ自体は数年前に第二期が終了しましたが、この曲の人気は衰え知らずで、私も個人的にギターインストにアレンジしてカバーしているのですが、既に50万回転を超えています。
動画の最後にいつもの様にデモ演奏を行っておりますが、既存のCDの曲をそのまま使って演奏すると著作権に触れてしまいます。
YouTubeの場合は、JASRACやJRCの管理曲であれば二次創作(CD/MP3音源をそのまま使わずに、カラオケを自分で打ち込みしたもの等)の場合、既存の版権曲でも著作権に触れずアップすることができます。
なので、デモ演奏に使用している音源は、自分のギターインスト版を使っているので、ちょっと雰囲気が違うと思いますが、構成やキー、テンポ等は原曲通りなので、弾き方は特に変わっている点はありません。
動画内でも説明していますが、パワーコード本アレンジではAメロにストロークのアクセントの指定があります。
アクセントを付けるのが慣れてきたら、ブリッジミュートに置き換えてみるとよりロックっぽいサウンドになるので是非試してみてください。
更に、パワーコードで弾く事になれたら、楽譜のコードネームを見てフルコードを押さえてみると、更にステップアップした練習ができます。
コードの押さえ方はインターネットで「コード表」と検索すれば、沢山のサイトがヒットするので見やすいと思ったサイトで確認してみましょう。
【YouTube】Let It Go "METAL" |アナと雪の女王
Let It Go "METAL" -Disney's FROZEN- | アナと雪の女王 / GUITAR COVER
2014年3月、日本公開のディズニー映画53作目『アナと雪の女王』(アナとゆきのじょおう、原題:Frozen)のギターインストカバー。
言われないとわからない、と突っ込みがはいったので、追記します。
「メタルなのでいつもより5cmストラップを長くして弾きました」
GWも終わってしまいましたが、私のGWはこいつの制作に掛かりっきりでした。
映画は公開二日後の16日に見に行きました。
基本的にオペラ物がダメな人なのですが、この映画はテンポも良く最後まで寝る事無く楽しく見れました。
なので。
というわけではないのですが、今この「アナ雪」(あえてそういってみる)のサントラがめっちゃ売れてるらしいじゃないですか。
そして、YouTubeの二次創作ものが軒並み高回転してるらしい。
それならば、便乗ナンボのこの商売、やっとかなあかんやろ。
せっかくなので、メタルにしました。
基本的にメロが良いし、構成も妙なループがないので、大きな変更はなく全体のオケだけをメタルアレンジにして、メロもしっかり生かしてます。
結果、いつもの感じで笑
一応、お茶を濁す程度にスウィープが少々。
そして、定番の暴走列車エンディングで〆。
そんな感じで気に入っていただければ、SNS等でシェアしゃちゃってください!
【TAB】Let It Go "METAL" / Solo Part
やー、さすが「旬」の曲。
順調に回ってます。
ここ数年、YouTubeの演奏系は飽和してしまっていて、3年前ぐらいならなんもしなくても1週間もあれば数万は軽くまわってたものが、ここ最近は1週間でもせいぜい1,000程度。
そらまぁ、Xやらオジーやらワンオクやらって検索したら本人やオフィシャル映像よりも、CD音源に合わせて弾いてる「弾いてみた系」ばかり出てくるから仕方がありません。
あ。
ちなみに、ウチのカバー動画はオケも全部打ち込みで原曲もアレンジした上なんで、「弾いてみた」系ではありませんのであしからず。
YouTubeが黎明期で、日本ではニコニコがリリースされた頃って、CD音源なんか使わずにみんながんばって打ち込んで、God knowsをメタルにしたり、ロックマンをユーロビートにしたりと、そらー今とは比べ物にならないぐらいに、色々な意味でクオリティが高かってんけどな( ̄(エ) ̄トオイメ
そんなノスタルジーはおいといて。
さすが、「アナ雪」です。
「ぶぁずってるるぅぅぅ(BUZZ)ってるねっ!!」
↑これ一回言ってみたかったねん笑
wwwwっっっっwっっっw
私が20代半ばから30代少々までWEBデザイナーやら、プロデューサーをやっていたのは結構周知の事実ですが、その時期というのはいわゆるWEBの黎明期で、そこらの中小企業相手でもサイト1本数十万、やんちゃな大企業相手なら数百万ふんだくれて、さらにWEBの業界雑誌にドーンと特集される様なデザイン会社なら、1本数千万とかで仕事が回っていた時代です。
WEBのバブル時期ですよね。
ふっつーのXHTMLのコーディング1Pの単価が数万って時代は今じゃ考えられないっすよね。
今って、会社よりさらに下の個人の末端のコーダーだと、1P2,000円ぐらいで見積もりしてんじゃないの?
でも、今のHTML5とかだとふんだくれるんかな?
ま、とにかくそんな時代。
世間的なバブルの時代もそうですが、「バブル」となると服装はもちろん、格好や言葉使いまでがデーハーになります。
WEBの業界も大分落ち着いてきたとはいえ、今でのその名残、つーか信者が数多く生き残ってます。
もっとインタラクティブでというのは大前提で、ユーザーが能動的に各コンテンツにアクセスする上で、ユーザービリティは勿論、アクティブでスタイリッシュさは絶対必要。
それはデザインの話だけじゃなくて。
とか言う、あほみたいな内容を普段の会話に織り交ぜる様な、中々にキモい人種ですな。
で。
実際の現場はほんまにそんなキモいのん?
となると、これがちゃうんですな。
いってみりゃ、体力勝負の現場仕事みたいなもんで、
業界雑誌のページ内に写る様な日当り最高の地上32階のデザインルームでコーヒーのみながら、小綺麗なニットきて笑顔でMac Book Airでデザインしてる。
インタラクティブがどーのとかいいつつ。
んなもん100%ありません。
毎日目の下にクマつくって、ぼっさぼさの髪の毛で明日地球が滅ぶんじゃねーかってぐらいの仏頂面で、今にもぶっこわれそうなボロいWin機つかって、黙々とマウスカチカチ、キーボードバチバチやってて、朝に出社して仕事が終わって家に変えれば深夜2時。
そんなウルトラブラックな環境がWEB業界ですわ。
で、そんな日の当たらない場所には蓋をして、いかにもWEBは小綺麗で機能的でおしゃれなもんでっせ、と大衆をだましてWEB業界全体の単価をつり上げることで、価値をキープしている。
まー、そんなもんはWEB業界に限らずよくある話ですが、わたしら普段一般大衆が目にしている小綺麗な部分てそんなもんで、聞こえてくる言葉もそんなもん。
「BUZZってる」
とか言わないから。
言ってるのは、WEBの業界人気取った素人が連呼してるから使われてる様な気がしてるだけで、普通に現場で汗水たらして目の下にクマつくって、来る日も来る日もデザインしてコーディングしてるほんまの現場では、ネタであっても常用はしてないので、本気でWEB業界の知識人きどって、ちょっとアクセスがあると「BUZZってる」なんて使うと、オオウケされるので、是非とも今後のネタにどうぞ。
ギターで言う所の速弾きをアッチかぶれよろしく「シュレッド」とか言うのとそっくりね。
キモ。
さて、盛大に脱線したと見せておいて、実は話が繋がってないこともない。
というわけで、TAB作りました。
今、バズってる「アナ雪」の「シュレッド」の部分のTABを。
前半2小節は、1:50ぐらいからの2コーラス目の繋ぎ部分と、クレイジートレインからのラストのスウィープの部分です。
そこまでぶっとんだ速さはないんですが、結構ワイドに動くので、慣れてないと指がもつれるんじゃないでしょうか。
レベル的には中級者の前半ぐらいっすかね。
今の若い子達はレベルが高いんでw
アメブロは画像がダウンロードできないので、以下からダウンロードできる様にしてるので、必要ならこちらからどーぞ。
http://www.kamoneginji.com/studio/letitgo_solo.png
【書籍告知】通称:パワーコード本 Amazonでの取り扱い
リットーミュージックさんより絶賛発売中の、初心者向け教則本。
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
通称:パワーコード本。
■リットーミュージックさんのオフィシャルサイト
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
こちらで、本書公認の私のレビュー&解説動画一覧をご覧いただけます。
更に。
ここからAmazonの購入ページに飛んで頂くと。
■Amazonでのご購入はこちら
http://amzn.to/SGrN9D
こちらにもなんと、私のレビュー動画を掲載頂いております!
このパワーコード本はこんな人におすすめです!
■ギターをいざ買ってみたものの、何を練習していいのかさっぱりわからない。
■初心者用教則本を買ってみたけど、難しくてよくわからない。
■とりあえず、好きなジャンルの曲を通して弾いてみたい!
■自分でアレンジするベースとなる素材集みたいのが欲しい!
■ソロは難しくて弾けないから、バッキングの練習になる本が欲しい!
更に、中~上級者の方であれば、今迄独学でギターを弾いてきて大抵の事は弾ける様になったけど、いざコード譜を見るとさっぱりわからない。
そんな方にも、楽譜のコードネームを見ながら歌裏のストローク等を自分で即興でアレンジしながら弾く練習に最適です。
数年前にギターを買ったけど、挫折して押し入れに眠ったまま。
まったくの初心者で、右も左もわからない。
この本を手に取って、ウチの解説動画を見ながら一緒に楽しくギターを弾きましょう!
PR: まだ仲介手数料を払ってますか? 2014年ですよ?
【YouTube】Don't say "LAZY"|パワーコード本公認コーチング動画
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
¥1,944(税込み)/発売中(2014年4月23日発売)|リットーミュージック
■書籍の詳細/ネットでの購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
※過去の動画の一覧も、リットーミュージックオフィシャルサイトよりご確認頂けます。
パワーコード本、オフィシャル公認の解説動画もいよいよ4本目。
4本目はアニソンより「Don't say "LAZY"」。
アニメ、けいおん!の第一期エンディングテーマですね。
個人的には、このパワーコード本中、最もパワーコードが似合う曲だと思っています。
実際に楽曲内で使われているフレーズ類もパワーコードが中心で、テンポや曲調自体も非常にパワーコードがしっくりと馴染む1曲です。
本書でのアレンジは、初心者向きに簡単に弾ける様にアレンジしてあり、ブリッジミュートやブラッシングといったテクニック類は省いてあります。
まずは、本書のシンプルアレンジで1曲弾き通せる力を付けて、実際のフレーズのコピーをはじめるとステップアップ式で練習でき、ギターをアレンジする流れ等もわかりやすくなるかと思います。
全体的に弾きやすいシンプルなアレンジですが、1カ所キーボードソロの部分がポジション移動が多くて速いのでネックになる部分ではないでしょうか。
また、1小節目では休符無しの付点ではいっていますが、2小節目は逆転の発想で、8分休符で4分音符。
と、長さ的にはどちらも一緒なのですが、弾くか弾かないかでリズム的な面白さや、フレーズの流れの違いが出るなど、以外に隠し味も見え隠れしています。
最後のデモ演奏はフルサイズで弾いているので、是非参考にしてみてください。
【YouTube】天体観測 -BUMP OF CHICKEN|パワーコード本公認コーチング動画
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
¥1,944(税込み)/発売中(2014年4月23日発売)|リットーミュージック
■書籍の詳細/ネットでの購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
※過去の動画の一覧も、リットーミュージックオフィシャルサイトよりご確認頂けます。
パワーコード本、詳細解説ラストの曲はJ-POPより、「天体観測 / BUMP OF CHICKEN」です。
テンポや8分ストロークが連続するこの曲は、パワーコード初心者の登竜門的ソングです。
1曲の大半が8分のストロークで構成されており、そこそこのテンポを保ったままおよそ4分半を弾き切らないと行けません。
また、途中リズムブレイクポイントがあり、リズムが変わるので突っ走ってきた所からガクンとハーフテンポになると、リズムを見失いがちに成ってしまうので注意が必要です。
全体的に、最初から最後まで集中して間違わずにテンポに遅れず弾き切れれば脱パワーコード初心者認定!ではないでしょうか。
デモ演奏では、今迄に無い感じで体でリズムをとって演奏しています。
せっかく、ギターで曲を演奏するのですから、曲に合わせてリズムに乗って、本人になりきってライブのつもりで弾く。
部屋で一人でノリノリで弾いてると、ハタから見ると中々にシュールな絵ですが、体全体で表現してこその音楽で、いくら高度なテクニックを駆使してものすごい速弾きをしても、うつむいたまま棒立ちの様に突っ立て弾いてしまっては、せっかくの曲が台無しになってしまうし、もしそれがライブだったとしたら、見てる側もまるでノル事が悪い様に思えてライブが全く盛り上がらない物になってしまいます。
なので、練習しているウチから成り切ってノリノリで弾く。
結構、これが正確に弾く事よりも重要な事だったりします。
実際、この曲のデモ演奏を動画でとって弾き終わると、まるでライブの後の様に滝汗をかいていましたw
テンポが良い曲なので、是非そういった所も意識して練習してみてはいかがでしょうか。
さて。
パワーコード本からの詳細解説+デモ演奏動画はこれでラストになります。
【YouTube】収録曲ポイント解説|パワーコード本
ギター教則&かんたんスコア 2本指で弾き切れる! ボカロ曲,アニソン,J-POP
¥1,944(税込み)/発売中(2014年4月23日発売)|リットーミュージック
■書籍の詳細/ネットでの購入はこちら
http://www.rittor-music.co.jp/books/13217113.html
※過去の動画の一覧も、リットーミュージックオフィシャルサイトよりご確認頂けます。
その1
その2
さてさて。
パワーコード本のレビュー動画も今回でラストです。
動画作成の都合上、2本に分けてあります。
内容は、フルサイズで紹介した以外の全曲をポイントを絞って解説しています。
デモはありません。
このパワーコード本の中から3~5曲程を覚えて弾ける様になれば、残りの曲は結構スラスラ進むと思います。
その上で、弾いて終わりではなく、更にステップアップさせるにはどうしたらいいか等のアイデアもしゃべっているので、本を片手にゆっくりご覧になってくださいませ。
それでは、最後にパワーコード本シリーズの全動画とプレーリストを貼っておきます。
【パワーコード】2本指で弾き切る!初心者教則本|リットーミュージック
千本桜/黒うさP|【公認】2本指だけで弾き切れる! ボカロ, アニソン, J-POP|リットーミュージック
脳漿炸裂ガール/れるりり|【公認】2本指で弾き切れる!ボカロ,アニソン,J-POP|リットーミュージック
God knows/涼宮ハルヒの憂鬱|【公認】2本指で弾き切れる!ボカロ,アニソン,J-POP|リットーミュージック
Don't say "LAZY" / けいおん!|【公認】2本指だけで弾き切れる! ボカロ, アニソン, J-POP|リットーミュージック
天体観測 -BUMP OF CHICKEN-|【公認】2本指だけで弾き切れる! ボカロ, アニソン, J-POP|リットーミュージック
【パワーコード本動画のプレーリスト】